見本まで渡したのに、頼んだものと違うものが出てくる。AIへの説明をやり直しているうちに、自分で直した方が早かったかも、と疲れてしまう。
この記事では、次に頼むときに使える「必ず残すこと・変えてよいこと・足さないこと」の指示書を渡します。出来上がりのどこを確認するかも同じ指示書に残せるので、漠然と「何か違う」と伝え直すときの判断材料になります。
私も図解の見本を渡したのに違うものが出て、困りました。
「いい感じに」「分かりやすく」では、どこまで変えてよいかが曖昧です。見本がある場合も、配色を合わせたいのか、情報の並べ方を合わせたいのかで、依頼内容は変わります。
まずは、勉強会の案内文を短くする場面で試してみてください。架空の素材と全文の指示を載せているので、実際の社内資料を用意する必要はありません。
以下のプロンプトと例は本記事用の自作です。特定の製品・モデル・有料プランでの実測結果ではなく、説明用の架空の素材です。時短率や精度の保証はありません。
「何を作るか」の隣に「何を変えないか」を書く
例えば、勉強会の案内文を短くしたいとします。「短くして」だけでは、必要な締切まで消えていないか、出来上がりを見て判断することになります。
依頼時に、次の5項目を並べておきます。
| 項目 | 今回の例 |
|---|---|
| 読む人 | 初めて勉強会へ参加する人 |
| 作るもの | 参加を判断できる短い案内文 |
| 必ず残すこと | 開催日時、申込締切、参加条件 |
| 足さないこと | 原文にない特典、申込方法、参加者の感想 |
| 人が確認すること | 日付、締切、未確定の情報 |
これで必ず正しくなるわけではありません。ただ、依頼の意図と、完成後に照合する項目を同じ場所に置けます。
そのまま試せる、一枚の指示書
手元のAIのチャット欄で試すための指示です。新しい連携設定や、自動化の構築は要りません。まずは次の架空の素材で、出てくる文章を確かめてください。
目的:初めて参加する人向けに、勉強会の案内文を短く整える。
出力:案内文を180字以内で1案。その後に、原文だけでは分からない点を別に列挙する。
必ず残す:開催日時、申込締切、参加条件。
変えてよい:文の順番、冗長な言い回し。
足さない:原文にない特典、感想、申込方法。
不明な情報:推測で埋めず「原文に記載なし」とする。
表現:「です・ます」で、初参加の人にも伝わる短い文にする。
素材(架空):
社内勉強会を10月5日14時から開催します。
参加希望者は10月1日までに申込みをお願いします。
初めて参加する方も対象です。
資料は開催前日に配布予定です。
この素材には、会場や申込方法がありません。「会議室へ」「フォームから」と勝手に補われていたら、その部分は採用しません。
出力は「うまい文章か」より先に原文と比べる
次は、上の素材から作る案内文の編集例です。AIが実際に出した結果として掲載しているものではありません。
社内勉強会は10月5日14時から開催します。初参加の方も対象です。参加希望者は10月1日までにお申し込みください。資料は開催前日に配布予定です。
確認する順番は、次のとおりです。
- 日付と時刻は同じか。開催日と申込締切を取り違えていないか。
- 「配布予定」が「必ず配布します」に変わっていないか。
- 会場や申込方法を、原文にないのに作っていないか。
- 初めて参加する人に必要な条件が残っているか。
読みやすさを整えるのは、この確認の後です。実際の業務で使うときは、所属先の利用ルールに従い、入力してよい資料だけを使ってください。練習の段階では、上の架空文で十分です。
見本は「どこを見るか」も一緒に渡す
私が困った図解の依頼にも、同じ考え方を使えます。見本画像だけを渡すのではなく、守る箇所と変更する箇所を分けます。
例えば、次のように指定します。
- 守る:白い背景、濃紺の見出し、オレンジの強調、比較しやすい配置。
- 変える:今回のテーマに合わせた見出しと説明文。
- 引き継がない:見本に書かれている数字や出典を、別テーマの根拠にすること。
- 確認する:文字が読めるか、必要な内容が抜けていないか、指定した人物が変わっていないか。
「同じ雰囲気」の内訳を書いておけば、出来上がりを見て、どこが違うのかを伝えるときにも使えます。画像そのものの確認は省けません。
毎回使う部分と、その日だけの素材を分ける
一枚の指示書を再利用するときは、読者、口調、確認項目を基本欄に残し、その日の素材を差し替えます。変更した日付も添えておくと、古い締切や前回の条件を持ち越しにくくなります。
Googleも2026年9月16日、チームのルールやテンプレートなどを再利用する仕組みとして、Google WorkspaceのSkillsを紹介しました。案内では管理者によるGemini Betaの有効化が条件とされています。ここで紹介した一枚の指示書は、その機能を使った体験談や設定手順ではありません。Google Workspace公式発表
また、Googleは複雑な案内を手順に整理するGeminiの使い方も紹介しています。本記事ではその考え方を参考に、制度の判断を伴わない架空の勉強会案内に置き換えました。Google公式の活用例
最初から全業務のルールをそろえる必要はありません。今日AIへ頼む文章を一つ選び、「必ず残すこと」と「足さないこと」を一行ずつ書く。その2行を、出てきた文章の確認にも使ってみてください。
出典確認日:2026年9月27日。製品の個別アカウントでの提供状況、上記プロンプトの各製品での出力は未検証です。
