社会人になってから、仕事以外で何かを学んでいますか。
パーソル総合研究所が2019年に公表したAPAC14の国・地域の調査では、日本の就業者の46.3%が、勤務先以外での学習や自己啓発について「特に何も行っていない」と回答しました。比較した14の国・地域で最も高い割合です。
これは、単に「日本人は勉強嫌いだ」と責めるための数字ではありません。
働き、家事や育児をして一日が終わる。何を学べば仕事や収入につながるのかも分からない。資格を取っても評価される保証はない。学びから遠ざかる理由は、誰にでもあります。
ただ、AIやデジタル技術によって仕事の進め方が変わる今、学ばないことのリスクは確実に大きくなっています。
会社が教えてくれるのを待つ。給料が上がるのを待つ。自分に合う求人が出るのを待つ。
待っているだけでは、自分のキャリアを守りにくい時代になりました。
リカレント教育とは
リカレント教育とは、学校を卒業して働き始めた後も、仕事や生活に必要な知識・スキルを学び直すことです。
大学や専門学校へ入り直すことだけを指す言葉ではありません。オンライン講座、社外研修、資格学習、職場での実践など、社会人が必要に応じて学び、仕事へ戻していく取り組みを広く含みます。
厚生労働省も、DXなどによって経済・社会環境が急速に変化し、従来の上司や先輩の経験だけでは対応しきれない場面が増える中で、労働者の「自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し」が重要だとしています。
つまり、リカレント教育は知識を増やすためだけの勉強ではありません。
変化した仕事に対応し、働き続ける選択肢を自分で増やすための学びです。
資格を取っても、学びは終わらない
私は今、国家資格キャリアコンサルタントの更新講習を受けています。
国家資格を取得した人でさえ、知識や技能を更新し続ける仕組みになっています。数年前に身につけた知識だけでは、変化する相談者の悩みや働き方に対応できないからです。
これは、どの仕事でも同じです。
資格を取ること、講座を修了すること、AIツールの使い方を覚えることはゴールではありません。学んだことを仕事で使い、結果を確かめ、次の課題を見つけるところまでが学びです。
私は、学び直しを次の4段階で考えています。
- 今の仕事で通用しなくなりそうな部分を見つける
- 次に必要な知識やスキルを学ぶ
- 実際の仕事や副業で使う
- 変化した時間、品質、成果を言葉にする
この循環ができると、学びは履歴書に書くだけの資格ではなく、自分を守る実績になります。
学ばないと、自分を守れない
会社員として働いていると、会社が仕事を用意し、必要な研修も用意してくれるように感じます。
しかし、会社が守るのは事業です。自分のキャリアを最後まで守れるのは、自分しかいません。
だからといって、これまでの経験を捨てて、未経験の専門職へ飛び込む必要はありません。
営業なら、顧客理解や提案の経験。人事なら、採用や育成の経験。経理なら、数字と業務フローへの理解。管理職なら、人と組織を動かしてきた経験。
そこへAIを掛け合わせれば、資料作成を速くするだけでなく、情報整理、課題発見、提案、教育、意思決定の質を高められます。
これから必要なのは「AIだけできる人」ではなく、現場を知り、AIを使って仕事を前へ進められる人です。
AIを転職と、転職後の武器にする
転職は内定を取ったら終わりではありません。
新しい職場で早く仕事を理解し、成果を出し、必要とされる人になるところまで続きます。
そこで私たちは、40代・50代がこれまでの経験を捨てず、AIを転職と転職後の武器に変えるための「AIキャリア・アカデミー」を開設しました。
学ぶのは、AIツールの操作だけではありません。キャリアの棚卸しを行い、自分の経験をどう生かすかを決め、AIを実務で使える形にし、転職活動と転職後の成果へつなげます。
経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の対象条件を満たす方は、受講修了時に受講料の50%相当、さらに本事業を通じて転職し、転職先で1年間継続就業した場合は追加20%相当、合計で最大70%相当の受講料負担軽減を受けられる場合があります。
※補助には在職者であることなどの対象条件があります。追加支援の対象となる転職方法も定められています。すべての方に一律で適用される割引ではありません。最新の条件と自己負担額は、個別相談時にご確認ください。
今日から始めること
学び直しは、大きな決断から始めなくて構いません。
今日、紙に次の2つを書いてみてください。
- 今の仕事で、3年後には通用しなくなりそうなこと
- 自分の経験にAIを足せば、もっと良くできそうなこと
学ぶ内容は、その答えから決めればいいのです。
学んでから動くのではなく、動くために学ぶ。
会社が変わるのを待たず、自分の経験に新しい力を足す。
今ある経験 × AI × 学び続ける力が、自分のキャリアを守る武器になります。
出典
- パーソル総合研究所「日本の『はたらく意識』の特徴を国際比較調査で明らかに」
- 厚生労働省「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業「転職をご検討の方」
- 経済産業省「六次公募 採択事業者一覧」
※46.3%は2019年公表の調査値です。日本の調査対象は東京・大阪・愛知の就業者であり、日本の全社会人を直接代表する統計ではありません。

