入社して数ヶ月。なんとなく毎朝おなかが痛い。日曜の夜になると気持ちが重くなる。まわりは普通に働いているように見えるのに、自分だけがうまくやれていない気がする。そんな毎日を過ごしている人は、決して少なくありません。先に言っておきたいのは、それは弱いからでも、根性が足りないからでもない、ということです。
厚生労働省のデータを見ると、入社から3年以内に会社を辞めた人は、大卒でおよそ3人に1人、短大や専門卒では5人に2人、高卒でも3人を超える割合にのぼります。これは特別な人たちの話ではなく、毎年、同じだけの人が同じように悩んで、同じ決断をしている、ということ。だから、もし今辞めたいと思っているとしても、それはおかしなことでも、恥ずかしいことでもありません。
表向きの理由の、その奥にあるもの
退職の理由を聞かれると、多くの人は、人間関係、残業が多い、給料が低い、と答えます。もちろんそれも本当でしょう。でも、長く相談を受けてきて思うのは、その奥に、もっと根っこの原因が隠れていることが多い、ということです。プロの目で見ると、本当の理由は、だいたい二つに集約されます。理解の不足と、スキルの不足です。
ひとつめは、理解の不足
まず、自分がどんな仕事に向いているのか、何を大事にしたいのかが、よくわからないまま会社を選んでしまっている。世の中にどんな仕事があるのかも知らず、なんとなくのイメージで決める。消費者として目に見える仕事は知っていても、その裏側で動いている企業向けの仕事までは知らない。これでは、入ってから、思っていたのと違う、となるのは、ある意味で当然なんです。
それから、上司や同僚とのコミュニケーションの取り方がわからず、人間関係に行き詰まってしまうこと。これも、退職に直結する大きな理由です。でも、これはあなたの性格の問題ではなく、誰も教えてくれなかっただけ。報告や相談のしかた、困ったときに助けを求める方法を知らないまま、一人で抱え込んでしまう。それが、ある日ぽきっと折れる原因になります。
ふたつめは、スキルの不足
社会人として求められる知識やスキル、専門性が、まだ十分に身についていない。ストレスのメカニズムや解消法を知らないから、しんどさにただ耐えるしかない。そして、将来どうなりたいかが決まっていないから、目の前の仕事に熱が入らない。こうしたことが重なると、とりあえず今の場所から逃げ出したい、という気持ちに、自然となっていきます。
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LINEで無料キャリア相談を予約するだから、すぐ辞めるでも、我慢でもなく
ここで大事なのは、だからすぐ辞めるべき、でも、だから我慢すべき、でもない、ということです。どちらかに決めつける前に、まず自分が何につまずいているのかを、いったん落ち着いて見てみる。それだけで、次の一歩がずいぶん変わります。原因がわかって初めて、残るか動くかを、感情ではなく、自分の意思で選べるようになるからです。
原因しだいで、打つ手は変わる
もし、つまずきの原因が、自分のことがまだよくわからないことなら、今の会社にいながらでも解消できるかもしれません。一方で、どうしても合わない環境なら、無理に居続けるより、戦略的に次を探したほうがいい。同じ早期離職でも、原因によって、最善の選択はまるで違ってきます。だからこそ、辞めるか残るかを決める前に、原因の見極めが先なんです。
一人で結論を、出さなくていい
そして、もし今、考えるのもしんどい状態なら、一人で答えを出さなくて大丈夫です。気持ちが沈んでいるときは、どうしても視野が狭くなって、もう辞めるしかない、と思い込みやすくなります。そんなときこそ、誰かに話してみてください。家族でも、友人でも、キャリアの専門家でもいい。声に出すだけで、頭の中が整理されて、見えていなかった選択肢に気づくことがあります。
3人に1人がつまずく場所で、今、立ち止まっている。それはきっと、これからの働き方を選び直すための、大事なサインなのだと思います。焦らなくて大丈夫。まずは、自分が何に引っかかっているのかを、ゆっくり整理するところからで十分です。
辞めること自体は、悪いことじゃない
ひとつ、誤解をほどいておきたいことがあります。早期離職そのものが、悪いわけではありません。合わない場所に居続けて、心や体をすり減らすほうが、よほど問題です。大事なのは、勢いや感情だけで決めないこと。きちんと原因を見極めたうえでの決断なら、それは逃げではなく、立派な選択です。辞めるという選択肢を、過度に怖がらなくていいんです。
同じ失敗を、繰り返さないために
もし一度、早期離職を経験していても、自分を責めないでください。大事なのは、なぜ合わなかったのかを、言葉にしておくこと。理解が足りなかったのか、環境が合わなかったのか。原因がはっきりすれば、次は同じところでつまずきません。むしろ、合わなかった経験から、自分が本当に大切にしたいことが、くっきり見えてくることもあります。
振り返りは、責めるためじゃない
振り返るとき、できなかった自分を責める必要はありません。目的は反省ではなく、次に活かすことです。この経験で、自分は何を学び、これからどう動くか。そう問い直せると、つらかった出来事が、前に進むための材料に変わります。失敗を、ただの失敗で終わらせるか、学びに変えるか。その差は、語り方ひとつなんです。
立ち止まるのは、ちゃんと考えている証拠
最後にひとつ。今、辞めようかどうしようかと立ち止まっているのは、何も考えずに流されるより、ずっと健やかなことです。自分の働き方を真剣に考えているからこそ、迷う。その迷いは、より良い選択へ向かう入り口です。だから、迷っている自分を責めないでください。ゆっくりでいい。納得のいく答えを、一緒に探していきましょう。

